セシルの週末
日記を書きます。
午後14時55分。
Jazz Dommunistersの『Drive2』を最大音量で流して足早に教室を出る。
その足で15号館裏の喫煙所に直行し、たばこを吸う。
小雨が降っていた。
授業を受けるのは楽しい。と同時に授業に出るのはとても怖いので、
音楽とたばこの力を借りないとやってられない。
「たばこを吸うと体に悪いよ」なんて言われるけど、
私は今を生きるために吸っているのだ。
マジでうるさい、話しかけるな。
今日という日を生き延びるだけで精いっぱいだ。
（罪と罰で刻む 日々の轍 マジで
胸の傷の数は 君と同じ）
成孔が胸の数は君と同じだって言ってんだから救われるよね。
午後15時12分。
DEGUSTATION A JAZZ「ザ・クリスマス・ソング」を流す。
成孔の神経質そうな歌声に身震いがする。あまりにもセクシーで。
裸で後ろから抱きしめられながらこれを聞いたことがある。
全面鏡張りの部屋。コンビニで買った水が二本。
灰皿に吸いかけのたばこ。いやに冷たいベットのシーツ。
セックスの時に名前を呼んだり、呼ばれたりするのが嫌い。
好きって言い合うのもご法度。
それがセックスのみを楽しむ男女たちのルールだ。
でも、でもね。
窓たたく風のそらみみでしょうか
あなたからのプロポーズは
気まぐれに見つめそして離れてく
ゆきずりでもよかったのに
そうよ下着は黒で
煙草は14から ちょっと待ってくれれば
なんだってくすねて来たわ
今あなたに話すと遠い物語
本気でおこる不思議な人ははじめて
You say you want me.
You want to marry me
You say you want me.
You want to marry me
そうさあの娘は素敵 でも一晩だけさ
どうせチューイングガム
つきあえるもの好きは誰
ほら二人で歩けば噂がきこえる
みんな知らない変わりはじめた私を
忙しいパパと派手好きなママは
別の部屋でくらしている
今でも週末ねだりに行くけど
もう愛しかいらない
もうすぐ素直な娘におどろく
'Cause you say you want to marry me
